彼が困惑しているのがわかるが、私は床に座る方が自分の気持ちを落ちつかせることができるのだ。
今はどんなにレナード様に軽蔑されようと、私の醜悪さを晒してもサイラスのしてくれたことに報いなければならない。
「あと、サイラスは本当は関わればすぐにわかるレベルの天才です。アカデミー入学時私が首位だったのは彼がケアレスミスをしただけでしょう。私はいつも彼から勉強を教わっていました。私は自分が首位が取れないと父に怒られると思って、彼の優しさに付け入り自分の事情を話しました。彼はいつも私が首位になるように自分の点数を操作していたと思います。彼は最初に会ったときに中央の要職につきたいと言っていて、レナード様に憧れているともいってました。子爵の身分ではアカデミーの首席卒業の実績がないと中央の要職につくのは難しいです。本当のアカデミーの首席はサイラス・バーグで私ではありません。私が一番よく知っています。彼は帝国の財産をなる逸材で、それを潰したのは私の狡猾さなのです。エメラルド鉱山も、サイラスはエメラルドが出たのを知りながら出てない演技をしたのだと考えられます。バーグ子爵家から採掘権を譲られたら、急にエメラルドが出たとの知らせが来たのです。実はカルマン公爵家は他の領地の情報を一週間前には入手できます。私は姉がそんなものには興味ないと思い込んでいて、まだエメラルドが出ていない鉱山をサイラスか貰い受けるように言われました。私はサイラスにただの山を売るような金額しか渡していません。彼がエメラルドなどでるわけがないと嘘をついてくれたのではないかと思っています。彼はいつだって全てを捨てるほど私を優先して来てくれたからです」
私は頬に熱いものが伝うのを感じた。



