希土くんが転校してきて約1ヶ月、わかったことがある

・クラスの一軍とつるんでて陽キャ

 転校初日から、クラスの一軍と仲良くなり、
 一軍入り

・頭がいい、スポーツできる

 この前の抜き打ちでやってた実力テストは
 クラスでたった1人の満点

 男子曰く、体育では無双中らしい

・名前を詮索されることにそこまで嫌がっていない

 意外と名前を言いたそう



 「要するに事情がある不思議な人!」



私はなーさんとあやに希土くんの調査結果を発表していた


なーさんは私の話を興味津々な様子で聞いていて、あやはそんななーさんを楽しそうにみていた


 「さきちゃん!それ自分で情報集めたの?」


あやがそう聞いてきたので私は即答した


 「もちろん!」


手をグットサインにしながら
 


その時、さっきまで男子たちと戯れながら楽しそうにしていた希土くんが私の隣に立っていた


 「あの、北園 ちょっといい?」


穏やかな声で話しかけた希土くんはいつみても天使のような顔立ちをしている


 「おっけー! ちょっと待ってて!

   なーさん、あやごめんねー!」


私はなーさんとあやに声をかけてから希土くんの後についていった



ついていった先は体育館裏だった


私は希土くんについていく最中、少女マンガのような妄想をしていたけれど、希土くんはそんな雰囲気を出していなかったのでその考えは諦めた



体育館裏についたら、希土くんは口を開いた


 「北園、俺のこと覚えてない?」


私はそう聞かれた途端、頭をフル回転したけれど思い出すことはできなかった


 「えっとー、ごめん、覚えてない」


希土くんはそんな私をみて、少しがっかりしたようなやっぱりなという不思議な表情をしていた


 「だよな
   
 じゃあ、俺の名前は———————」