「誰に向かって口を聞いてるんだ?」
 玲さんが冷ややかに言う。彼は氷のように冷たい表情をしていた。

「曽根崎玲、お前が時を操れるような特別な人間でも、凛音がお前を愛することは二度とない。本当はわかっているんじゃないのか?」
「⋯⋯」
「その存在を尊重されることなく身勝手に命を奪ってきたお前に対する凛音の恐怖の記憶は時を越えたし、俺の妹を守りたいという想いも時を越えた。特別なのはお前だけじゃない」

 兄の言葉に玲さんは悔しそうに睨みつけていた。いつも余裕な表情の玲さんが感情を露わにしている。