フェリクスは私が猫の時でも、私が人間である時のように接する。
だから、突然抱き上げたりは絶対にしない。


すると、私を見下ろす暗いルビー色の瞳と目が合った。
こんな目で私を見るフェリクスを見たことがない。
彼の私を見る目はいつもお日様のように温かい。

「にゃー!(アルマだ!)」
私は目の前のフェリクスの姿をした存在がアルマだと気づき、咄嗟にフランシスを守ろうと彼に覆い被さった。