「アルベール王国とルスラム帝国の間には国交ができました。クリフトン王子殿下からの親展として即刻キルステン皇太子殿下にこの文を送ってください」

クリフトン様は私の提案に首を傾げる。
「そもそも水中堤防って何? 聞いた事ないんだけれど」
「古来、海賊船を沈没する為に行われた戦法で水中に積み石で堤防を築くものです」
私は水中堤防の築き方を紙に書いたものを見せながらクリフトン様に説明をする。

この辺りの国は海域協定が結ばれている事もあり、ルスラム帝国だけでなくアルベール王国も海軍を持っていない。
海賊は自分の縄張りを侵されない限りは攻撃的ではない。