キルステンの手が私の首に触れ、その手の冷たさにビク付いてしまった。

ブチッ!

唐突にネックレスの鎖を切られる。
フェリクスから貰ったダイヤモンドの指輪のついたネックレスだ。

「キルステン、フェリクスのことだけど⋯⋯」
泣きそうだったキルステンの瞳に、一瞬にして怒りの炎が灯ったのが分かった。

「ダルトワ卿は君の護衛騎士にする」
私はフェリクスが処罰されないことに安堵のため息を吐く。そんな私をキルステンが冷ややかな目で見ていた。