二人はお似合いで、私は嫉妬をしているのか胸が苦しくなった。
 
その時、黒い装束を纏った男が玩具屋の影からキルステンを狙っているのが分かった。手元で鈍く光っているのはおそらくナイフ。猫になり感覚が過敏になっているのか、男からの殺意をひしひしと感じる。

満面の笑顔でこれから刺されるとも知らないキルステン。

瞬間、男がナイフを投げようとしたのが見えた。
私は気がつけば、猫っ飛びでキルステンの前に飛び出していた。

「エリナ!」
フェリクスの声が遠くに聞こえる、周囲が大騒ぎしている声が小さくなっていく。
その中に愛おしいキルステンが私を呼ぶ声が聞こえた気がした。