私は彼の長いまつ毛を見つめながら、そっと頬に口付けた。

「えっ? ほっぺなの?」
フェリクスが驚いて目を開ける。

私は居た堪れないくらい恥ずかしくなり、顔を真っ赤になっているのが分かった。
すると、彼は突然私の唇の端に口付けをしてきた。

私は衝撃のあまり目を丸くして固まった。
フェリクスの口説きモードは結構ガンガン来る。
私はずっと兄のように見てきた彼の突然のキャラ変についていけない。

「ビルゲッタが俺を男としてみられないならば、次は唇にするよ」
「うっ」
私はまた吐き気が襲ってきて、口元に手を当てる。

「流石にその反応は傷つく」