「ビルゲッタ、俺が今プロポーズしようとしていたのを分かっているよね。どうして、そんな残酷なことが言えるの?」
「ごめんなさい。フェリクス! 貴方を傷つけるようなつもりはなかったの」

いくら恋愛にとても疎い私でも、最近のフェリクスの私への好意は感じ取れていた。

「じゃあ、お詫びに俺に口付けしてくれる? それが出来たら許してあげる」
フェリクスが笑いながら冗談めかしてした提案は流す事もできたが、私は彼が自分の為にした今までの犠牲を思うとできなかった。

「目を瞑ってくれる?」
私が思いの外応えてたのが嬉しかったのか、フェリクスが緊張したように目をそっと瞑る。