「謝らないで、ビルゲッタ。俺が欲しい言葉は謝罪の言葉じゃない。俺はお前から愛していると囁かれたいんだ。ビルゲッタ、よく聞いて。呪いを解く方法は今のところない事がわかったんだ」

私は足元から色々なものが崩れていくのを感じた。フェリクスは呪いを解けない可能性を考え、この場所に本当の夫婦として移住しようと考えていたのだ。頭の中がいつまで経ってもキルステンでいっぱいの私と違い、彼は極めて現実を見据えている。

 
「フェリクス、私は大丈夫。もし、呪いが解けないことが分かったら、貴方は一人でルスラム帝国に戻って」
私の言葉に、あからさまに傷ついたような顔をして彼はため息を吐いた。