ここは律の自室。
 窓際のデスクの上にはビーカーやフラスコ、蒸留や加熱をする怪しげな器具がずらり。
 ビーカーの中に入っているのは主に化学薬品で、名前を公にできない物も中には入っていた。

 律は、加熱されてぶくぶく沸騰している緑色の液体の中に、試験管の赤い液体をスポイトで一滴だけ混ぜた。
 そのまま加熱を続けて少し経ってから、液体を袋に入った氷で急冷し、仕上げに、パウチに入った白い粉を、フラスコの中に混ぜる。
 その怪しげな液体をガラス棒でかきまぜてから、匂いを嗅いで、律は呟いた。

 
「……できた。」


 律はその液体をさっそく小さなガラス瓶の中に移した。