「どうも最近マンネリね……」

 
 新聞部の部室。
 いつもの様に宗介と美風の写真を整理していた伊鞠が言った。
 伊鞠は宗介の写真の裏には黒、美風写真の裏には白、と鉛筆で書き込む作業の最中だった。
 伊鞠の言葉に、隣に座っていた桂香が顔をあげた。
 桂香は三角関係についての新しい記事を書いていた所だった。
 桂香が呟いた。

 
「……黒白王子でイベント」

「そうよね、私もそう思ってた。何かここらでパーっとやらないと駄目よ。うーん、何をすればいいかしら。」

「……」

 伊鞠は上を向いて、考えをまとめ始めた。

「やることは色々あるわ。盛り上がる企画はいくらでもある。イベントはもちろんだけど、問題は黒白王子が乗ってくれるかどうかよね。」

「……いけず」

「そう、いけずなのよあの2人。絶対に協力しないって言い張るし。どうにかならないかしら。」

「……強行突破」


 桂香がぼそりと呟くと伊鞠はパチンと手を打った。

 
「それが王道ね。そっちの線で考えましょう」