「そうそう、漢字テスト、来週にもあるんだよね」
理央がルーズリーフに英作文の練習をしながら言った。
「恋、名誉挽回。次は頑張らなきゃ。次も補習じゃ困るでしょ。」
「毎回宿題の範囲しか出題されないから、ちゃんとやっていけば満点取れるよ、新田さん。」
「そもそも宿題と同じ範囲が出るのに満点取れないなんて変。怠慢だ。……恋、満点取ったらどっか連れてってやるよ。」
宗介が言ったので、恋は頷いた。
「満点取るにはどうしなきゃならないかなって、逆算して考えるんだよ。お前はいっつも勉強しないんだから。漢字は編とつくりのイメージで覚える。間違えて覚えないように、最初にじっくり見て確認する。ほら、今日だって……狐の落書きなんかしてんじゃないの。ちゃんとしな。ったく。」
恋は英語から漢字テスト対策に切り替えて、一生懸命漢字を勉強した。

