「あ、恋、樋山くん」

 恋と美風が話していると、理央がやってきて合流した。

「どこ行ってたの恋。これからみんなに連絡だよ。もう、しっかりしなよ。」

「ごめん」

「すっかり話し込んで、見つかったってメールするの忘れてた。ごめんごめん。それじゃ新田さん、集合場所に戻ろうか。」


 クラゲの水槽に戻る途中で、伊鞠と桂香が深海の展示のスペースでキョロキョロしているのに出会った。
 これまた途中で、宗介と律が言い合いしながら階段を登って歩いてきた。


「恋!」

「あ、宗介」

「どこに居たんだよ。こっちはお前のこと水族館じゅう探し回ってたんだぞ。腹立つな。いちいち狐のチビと探す場所被るし。」

「恋、どこに居たんですか?。上野さんに絡まれて、僕、迷惑しましたよ。」

「はあ?絡んできたのはお前だろ。」

「僕をチビ呼ばわりしだしたのは上野さんが先でしょ。」

「まあまあ、2人とも。」

 理央が宥めた。

「恋が見つかって良かった。樋山くんが恋を捕まえててくれなかったら、恋多分見つからなかったと思うよ。今回は白王子の勝ちだね。そうそう、これからイルカショーだっってよ。」


 恋は、まだ言い合いしている宗介と律達と一緒に、最後に外のプールでやっているイルカショーを見た。