日曜日。
恋達は、隣町のレストランのあるホテルに行くために、駅で待ち合わせをした。
恋と宗介がいつもの通り駅前の日時計の広場に着いた。
「恋」
宗介が日時計のベンチに座った恋に言った。
「今日も樋山が一緒に行くけど、お前は樋山の事は見ないように。一途が大事。僕ちゃんとチェックしてるんだからね。」
「……」
「ちゃんと評価するよ。今日は別に行かなくても良かったけどせっかくだから。まったく。加納先輩も石巻先輩も僕と恋だけ誘ってくれれば良いのに。そしたら秘密の楽しいデートになるのにね。」
「恋!」
声がして、商店街の方から歩いてきたのは律。
とたんに宗介が嫌な顔をした。
「向井。なんで来たんだよ。お前は新聞部のメインじゃないだろ。学校も違うし、ひとつも関係ないのに。あやかしはあやかしらしくおとなしく家に居ろよ。腹立つ。なんで今日の事を知ってたんだよ。」
「駒井さんに誘ってもらったんですよ。上野さんには関係ありません。迷惑かけませんもん。恋、ちゃんとご飯抜いてきました?。今日僕は食べて食べて食べまくりますよ。」
「下品な事言って。中年のオバサンじゃないのに。もう、駒井は考えないですぐ誰でも彼でも誘うんだから。」
「新田さん!」
「恋!」
向こうの方から、理央と美風が連れ立ってやってきた。
美風は律に気付くと首を傾げた。
「あ、なんだ、チビスケも来たのか。ライバルは少ない方が良い。新田さんを狙うなら、邪魔になるから来なくて良かったのに。面倒だな。じゃあ今日は割と大人数なんだね。」
「律ちゃんおはよ。加納先輩と石巻先輩は現地集合なんだって。レストランで待ってるって。隣町の有名なホテルのレストランだってさ。」
「楽しみ!。恋一緒に行きましょう。」
「恋、歩く時は僕の隣を歩く事。当然。」
恋達は駅のホー厶から丁度良く来ていた電車に乗った。

