しばらくして。

 
「疲れてきた」

 
 恋が言った。

 恋は、歩くのは好きだったが、どこにも寄らず無目的に歩くのは好きではなかった。
 宗介と美風は、時折本屋を覗きながら、結構楽しそうに散歩していた。


「だらしない。もう疲れたって。情けないと思いなよ。」

「僕はまだ疲れてないけど、それならちょっと休もうか。見て、あっちの方にお洒落なカフェがある。」