朝はすぐ目が覚めた。
早く寝たのもあるし、ブルフラの話をするのが楽しみだったからだろう。
私はいつもより早く身支度を整えて、すぐ家を出た。
バスと電車を乗り継ぎ通っている私立青空高等学校が見えてきた。
校舎に入り下駄箱でローファーから上靴に履き替え、自分のクラスに直行した。
自分のクラス、1年2組に入ったら既に登校していた、いろちゃんとあかりがいた。
「おっ!来た来た!おはよう!」
「そらちゃん〜!おはよっ!」
2人が私に向かって挨拶をしてくれたのと同時に私の先の方へ来た。
「チケット、おめでとう〜」
いろちゃんがそう言ってくれたのでありがとうと言おうとしたら、クラスの外から走ってくる音が聞こえた。
バタバタバタ
「ちょっと!!何してんの!
ほら!3人とも2階行くよ!」
私たち3人は、何も知らないまま、入ってクラスに来た子に2階に連れて行かれた。
「2階は2年生のクラスがあるけどなんかあるのかな……?」
「「「きゃーーーーーーーーー!!」」」
あかりが私といろちゃんに聞いたと同時にたくさんの黄色い声援が聞こえてきた。
私たち3人は状況が理解できないまま、声援が聞こえる方を見た。
その途端3人で目を合わせた。
「「「ブルフラだ!」」」
3人とも言いたいことは同じだったらしく、ハモリつつ、食い気味で何故かうちの学校にいるブルフラのお二人を見ていた。
誰かを探すように目を泳がせているSakuya様をじっと見つめていたら、なんと目が合った。
「目!目が!!あっちゃった!」
いろちゃんとあかりに訴えるように何度も「目!」と復唱しているとSakuya様が私たち、いや私の方に向かって歩いてきた。
Haru様に何か聞かれて適当に返事をしているSakuya様とHaru様は、私の目の前で止まった。
「天宮空良ってあんた?」
「あ!この子が空良ちゃん!?」
目の前に推しがいることだけで心臓が飛びでそうなのに、私の名前を呼んでくれた。
しかも、Haru様まで……
「そ、そら!?」
「そらちゃん!?」
名前を呼ばれた私よりも、あかりやいろちゃん、周りにいる人までも驚いている。
私なんて言葉が出ないのに……


