期末テストが終わったばかりの放課後、生徒会室は今日も今日とてカオスを極めていた。





窓の外では師走の気配が漂い始め、冷たい風が校舎を吹き抜ける音が、時折、換気扇の低い唸り声に混じって聞こえてくる。




黒髪ストレートに左目の下の涙ボクロが印象的な生徒会長、叶美亜は、溜息をつきながら書類の山と格闘していた。




彼女の周囲には、個性豊かな生徒会メンバーが、それぞれの「日常」を繰り広げている。
 




 「ねぇ、美亜ちゃん、この数字、なんだかキラキラしてない?」




 
 ふわふわの茶髪を揺らしながら、書記の町田明里が、美亜に計算途中の書類を差し出す。





その表情は、まるで宝石でも見つけたかのように無邪気だ。





 
 「キラキラ?明里、それはただの計算ミスだよ。ほら、この部分、100円玉の絵が描いてあるでしょ?これはお金の計算。明里の得意分野のはずなのに」