秋風が窓を撫で、生徒会室に心地よい涼しさを運んできた。



しかし、その静寂は、迫りくる期末テストという悪夢によって掻き消されようとしていた。




高校一年生の生徒会長、叶美亜は、真面目な顔で分厚い教科書を机に並べた。





隣では、ふわふわ系書記の町田明里が、つまようじの先に刺さったミニトマトをつぶらな瞳で見つめている。






 「明里、何してるの?勉強するんでしょ?」






 美亜の声に、明里はきょとんとした顔で顔を上げた。