「この予算、1000円単位で、5000円札が...。」



 
 「『5』って聞くと、白目むいちゃうから!『ゴ』って声でお願い!」
 




 「わかったよ、明里...。『ゴ』せんえんさつが...。」



 
 「『ゴ』せんえんさつ...!そうだよ!『ゴ』だ!『ゴ』だから、大丈夫!」
 





 明里は、数字ではなく「ゴ」という響きに反応し、少しずつ笑顔を取り戻していく。




彼女は、お札の束を手に取り、その音を聞きながら、嬉しそうに小銭を数え始めた。
 




 「シャラシャラ...ピロリン...。」
 




 「いいよ、明里!その調子!」





 
 美亜は、明里の奮闘を応援した。





数字が嫌いな明里が、お金の音で計算できるようになるのか。




文化祭の準備は、果たして間に合うのだろうか。





生徒会室には、明里の楽しそうな声と、小銭の軽快な音が響き渡っていた。