途中でせなとすれ違った。



相変わらずたくさんの友達に囲まれていた。



一瞬せなと目が合ったが、すぐに逸らされた。



それよりも、私は今すぐ泣きたくてトイレへ急いだ。



トイレについて、個室に入ったところで一限の始まりのチャイムが鳴った。



授業が始まるから誰も入ってこない。



思う存分泣いた。



泣きすぎて目が真っ赤になった。



ぐしゃぐしゃに乱れた髪を、トイレの鏡を見ながら治す。



手を洗うところで、踏みつけられて埃がついたほっぺたを洗う。



「どうして私が…」



原因はわかっていた。



みんな私とせなが双子なのが気に食わないからだ。



せなはスラっとしたモデル体型にも関わらず、私はぽっちゃりしていて、身長が低い割には平均体重を超えている。



これがイジメられる原因だ。



何とかしないと…わかっているのにできない。



運動が得意なわけでも、勉強が得意なわけでもない。



ダイエットを試みたけど、すぐに断念してしまった。



私はこの生活に耐えるしかない。



今教室に戻ったら、遅刻だって怒られちゃうから、一限はここで過ごそう。



そう思った時だった。