第一章 【汚れのない生徒会長】
「流海(るうな)、さっきの誰よ?」
美兎(みと)ちゃんの視線がコワい。
「うーんと、彼氏・・?」
「これで何度目よ?」
はあっとため息を吐いて、まるでお母さんのように言った。
そして、一度廊下の方を見てから、少し躊躇った後、
「悠斗くんが可哀想でしょう?」
と、言った。
「べ、べつに、浮気じゃないし!」
慌てて言ったら美兎ちゃんはもう一度ため息を吐いて、それから。
「もう、ほどほどにしておきなよ」
そう言い残して自分の席に戻って行った。
*
「ねぇ、流海、今日、生徒会長スピーチでしょう?新学期の」
「そうだよー」
原稿をみている私をみて、美兎ちゃんは尋ねてきた。
「面倒臭いんだけどね。」
愚痴をこぼしたら、美兎ちゃんに、「めんどくさいなんて言わないの」と怒られた。本当にお母さんみたいだ。
「全く、汚れのない生徒会長なんじゃ、なかったの?あんなに彼氏がいて・・・・。よくバレないわね。」
そうです、私、原木流海は、この高校の生徒会長であり、でも本当は彼氏が何十人もいます・・・!
だなんて、言えないけどね。
何もかも隠して送る学校生活は正直窮屈で、「汚れのない生徒会長」というあだ名も嫌で仕方がないけれど、学園の生徒会長があの暴走族の総長だとバレたら、たまったものではない・・・・。
サラサラのセミロングの黒髪。
ワンポイントで結ばれた白いリボン。
ぱっちりとした瞳。長いまつ毛。
そして、校則通りに着こなした制服。
ふちがハニーブロンド色のメガネが、私の昼間の格好。
「流海(るうな)、さっきの誰よ?」
美兎(みと)ちゃんの視線がコワい。
「うーんと、彼氏・・?」
「これで何度目よ?」
はあっとため息を吐いて、まるでお母さんのように言った。
そして、一度廊下の方を見てから、少し躊躇った後、
「悠斗くんが可哀想でしょう?」
と、言った。
「べ、べつに、浮気じゃないし!」
慌てて言ったら美兎ちゃんはもう一度ため息を吐いて、それから。
「もう、ほどほどにしておきなよ」
そう言い残して自分の席に戻って行った。
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「ねぇ、流海、今日、生徒会長スピーチでしょう?新学期の」
「そうだよー」
原稿をみている私をみて、美兎ちゃんは尋ねてきた。
「面倒臭いんだけどね。」
愚痴をこぼしたら、美兎ちゃんに、「めんどくさいなんて言わないの」と怒られた。本当にお母さんみたいだ。
「全く、汚れのない生徒会長なんじゃ、なかったの?あんなに彼氏がいて・・・・。よくバレないわね。」
そうです、私、原木流海は、この高校の生徒会長であり、でも本当は彼氏が何十人もいます・・・!
だなんて、言えないけどね。
何もかも隠して送る学校生活は正直窮屈で、「汚れのない生徒会長」というあだ名も嫌で仕方がないけれど、学園の生徒会長があの暴走族の総長だとバレたら、たまったものではない・・・・。
サラサラのセミロングの黒髪。
ワンポイントで結ばれた白いリボン。
ぱっちりとした瞳。長いまつ毛。
そして、校則通りに着こなした制服。
ふちがハニーブロンド色のメガネが、私の昼間の格好。

