「なあ、ほたる。俺……結菜のこと、好きかもしれない」



放課後の教室。


窓の外は夕焼けで、オレンジ色の光が差し込んでる。


駿は、真剣な顔をして私を見ていた。


……心臓が痛い。


だって、ずっと好きだったのは私なのに。



「……そうなんだ」



なんとか笑ってみせる。



「なあ、どう思う?俺、結菜と話すと楽しくてさ」


「うん、結菜は明るいし、可愛いもんね」



自分の声が震えてないか、気づかれないか不安になる。


でも駿は気づくわけもなく、少し照れくさそうに笑った。



「やっぱそう思う?協力してくんね?」



……その言葉が、胸に突き刺さる。


けど私は、頷いてしまう。



「うん。付き合えるといいね」



私の笑顔は、夕日に溶けて消えていった。