夏休み中だと言うのに、朝と夜の薬に悩まされた。
また夜に咳が出るかもしれない。そう考えるだけで嫌になって、薬は絶対飲んだ。
でも、お茶が嫌いな私にとって、薬を飲むためにお茶を飲まなくちゃいけないことがとても嫌だった。
できる限りコップに注ぐお茶を減らして薬を飲んでも、お茶が足りなくなる。
だからしょうがない、と増やしたら余る。
余ったお茶だけを飲むのも億劫だった。もし飲むなら何かと一緒に飲んで、味をごまかしたい。だけど食後だから何もない。
しかも、アレルギーの薬ではない、吸入でもない喘息の薬が、お茶に一瞬で溶ける錠剤だったのがまた悩むポイントだった。
私は薬をお茶で溶かすと、薬の不味さを味わうことになってしまうと、前の経験で知っている。
だから、お茶に一瞬で溶ける錠剤を口に入れると、すぐその不味さが伝わってしまい、慌ててお茶で流し込むこともあった。
しかもその薬が結構大きめ。
大きいから噛んでもいいと薬局の人には言われたけど、前にも噛む薬を飲んだら不味さが伝わってくると、また前の経験で私はわかっている。だから絶対噛んでいない。
だけど喉に詰まりそうになることももちろん何度もあった。
そんな時は慌ててパニックにならないように冷静になってお茶で流し込んだ。
吸入のやり方は母に教えてもらった。
次の検査の時、前と同じように検査したら、18ppb。大幅に下がった。本人が信じられなかった。
お? 一回で下がったってことは、前の79は、そこまでじゃない…?
ちょっと嬉しくなった。私は、そこまで重度じゃないんだ。安心した…っ。



