大宇宙の流星群を見事に描ききった新作の「M34 F8 デイト」。確かに、壮麗かつ印象的ではあるが、常に文字盤が目立って見えるわけではない。室内などの照明の下では左の画像のように穏やかなルックスとなる。これも世界初（※）のプリント技術のなせる技。シックを旨とするビジネスシーンでも、もちろん問題なく着用できるから活用の幅も広がるだろう。
　文字盤に降り注ぐかのような〝流星ダイアル〞を見どころとする本作は、オリエント時計と統合したセイコーエプソン運営による「信州 時の匠工房」が深く関係する。同工房はプレミアムウォッチの製作に始まり、「マイクロアーティスト工房」や「匠工房」「文字板工房」「ケース・宝飾工房」などを擁する同グループにおける時計作りの一大拠点。本作では約2210個もの流星が神秘的に流れる姿を世界初（※）の「金属ナノ粒子積層技術」を用いて完成させている。これはセイコーエプソンが持つインクジェットプリント技術を応用し、ウイルスよりも細かい金属ナノ粒子を吹き付けて作る、そもそも電子基板製作のために開発されたものだ。従来より微細な基板作りが可能なことに加え、廃棄物を抑えた製造法が世界で高く評価されている。この先進技術を文字盤装飾用に進化させ、本作では今までにない繊細なダイアルデザインを実現させたのである。
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本作製造におけるポイントは、なんと言っても世界初（※）となる「金属ナノ粒子積層技術」にある。流星の特徴である繊細な明暗を持つ筋模様をリアルに表現するに当たって、セイコーエプソンは先端のプリント技術を活用した。「金属ナノ粒子積層技術」は、インフルエンザなどのウイルスよりも微粒子である特殊インクを採用する。さらに、同社が蓄積したインクジェットプリント技術を応用し、版下データを分割し、複数回に分けてプリントすることで、明暗と奥行きのあるグラデーションを実現させている。また、クリア塗装で挟み込む層を形成し、インクの変色を防ぐ工夫も施している。その結果、当たる光の加減や見る角度によって印象が変化する魅惑的なダイアルとなっている。