「――…え」
まさか、こんな展開になるとは。
私はハルヒの方を見た。
ハルヒはなぜか顔を真っ赤にしていた。
ハッ!まさか熱⁉︎
私はハルヒを抱えると、一直線に保健室へ向かった。
「へ⁉︎ちょ、芽衣⁉︎」
「ごめん、ちょっと耐えて。」
ハルヒ、思ったより軽いな。
と思っていると、保健室に着いた。
「すみませ―ん。一年の朝比奈芽衣ですが――。」
声を張り上げると、どこからか先生がやってきた。
「あらあら、どうしたの?」
ハルヒを降ろすと、先生の方へ渡した。
「お願いします。じゃ、私はこれで。」
帰ろうとすると、背後から「ちょ、ちょっと待って。まだいてよ。」と掠れた声がした。
「――え?」
振り向くと、ハルヒはフイッと視線を逸らした。先生の方を見ると、なぜかニヤニヤしていた。「看病してあげてちょうだいよ。ベット使っていいから。私は用があるから行くわね。」
「え、え。」
慌てている私を置いて、先生はスタスタと歩いてどこかへ行ってしまった。
どうしよう。追いかける?
迷っていると、ハルヒが床に倒れそうになった。
「ハッ!危ない‼︎」
何とか支えると、もう決心するしかなかった。
ベットに寝かせると、ハルヒはすぐにスースーと寝息を立てた。
すごい、寝るの早い。
どれくらいの熱かたしかめようとおでこを触ると、なぜだかドキドキしてきた。
あれ、この音は私の?それともハルヒの?
分からなかった。
ハルヒを見ているうち、私まで眠くなってしまった。
――
「あらあら!」
先生の声で、ハッと目を覚ます。
いつの間にか寝ちゃったようだ。
ハルヒを見ると、まだ眠っていた。
「親御さんに連絡したから。もうすぐ来ると思うわ。」
先生がハルヒに語りかけると、ハルヒがこくんと頷いた。
あれ、起きてるの?
「じゃ、朝比奈さんはもう帰っていいわよ。」
「あ、は、はい。
じゃあね、ハルヒ。」
寝顔のハルヒを見ていると、急に昨日のキス事件のことを思い出してしまった。
ボッと顔が熱くなる。
「あれ、朝比奈さんも熱?」
「だ、大丈夫です!さようなら!」
――
教室に戻ると、女子たちがハルヒの心配をしていた。
綾も「ハルヒどうしたの?」と言ってきた。
「さあ、分からない。風邪?」
私が答えると、綾の表情が真剣になった。
「え、まさか2人きりでいたの?」
ギクッ。
「う、ううん。先生がいたよ。」
嘘だけど、嘘をついた方がいい時もある。
2人きりだったなんて知られたら、きっと綾に嫌われる。だって綾は――
「私、ハルヒが好きなの。」
思っていたことを言われ、心臓がドキンと鳴った。
「え?」
「気づいてるかもしれないけど。」
(綾 これですこしは意識するでしょ)
なぜだか分からない、でも何でか胸がチクリと痛んだ。
「そうなんだ。」
できるだけ平気を装って言った。
「は?何その反応!」
綾はなぜか怒っているようだった。唇を尖らせているのもあるけど、綾の口からは?と出てくるのはよっぽどだ。
「私、何かした?」
不安に思って聞くと、綾は相変わらずイラついた様子で「あー、もう!」と言った。
「ハルヒのこと、どう思ってるわけ⁉︎」
――え
予想外の言葉に、一瞬固まってしまった。
「何でそんなこと聞くの。」
「芽衣ちゃんって本当鈍いね。私はハルヒが好きなんだよ?だから、知りたいの。」
すごい、綾ちゃんがこんなにズバズバ言うなんて。
相当怒ってるんだな。しかも――ハルヒのことで。
「何とも思ってないよ。ただのクラスメイトって感じ。」
これも嘘だった。
実をいうとキスした日から、ハルヒを気にしてしまっていた。これが恋というんなら、そうなのだろう。でもそう言えば綾と友だちでいられなくなる気がして、言えなかった。だけど、綾には見透かれていた。
「――キスしたくせに?」
「ブッ」
思わず吹き出してしまった。
え?バレてたの?
「ごめん、実はあの時見てた。たまたま通りかかったら、明らかにそういう声がするんだもん。」
正直に話せる綾はすごい。やっぱり綾ってすごいな、と思う。
「でも、もし見てるって言ったら嫌われる気がして言えなかった。ごめん。」
綾はこんなに素直に話してくれているのに、私は嘘をつくの?我慢できなかった。
「私、やっぱりハルヒのことただのクラスメイトなんて思えない。キスした日から気になってるの…」
勢いで言ったあとに、後悔する。
綾の方を見れない。見るのが怖い。
でも恐る恐る見ると、綾は笑っていた。
「⁉︎綾⁉︎」
「…ふふ、知ってたよ。」
「え――
綾にはお見通しってわけか。」
何だか肩の力がフッと抜けて、私も笑ってしまった。
まさか、こんな展開になるとは。
私はハルヒの方を見た。
ハルヒはなぜか顔を真っ赤にしていた。
ハッ!まさか熱⁉︎
私はハルヒを抱えると、一直線に保健室へ向かった。
「へ⁉︎ちょ、芽衣⁉︎」
「ごめん、ちょっと耐えて。」
ハルヒ、思ったより軽いな。
と思っていると、保健室に着いた。
「すみませ―ん。一年の朝比奈芽衣ですが――。」
声を張り上げると、どこからか先生がやってきた。
「あらあら、どうしたの?」
ハルヒを降ろすと、先生の方へ渡した。
「お願いします。じゃ、私はこれで。」
帰ろうとすると、背後から「ちょ、ちょっと待って。まだいてよ。」と掠れた声がした。
「――え?」
振り向くと、ハルヒはフイッと視線を逸らした。先生の方を見ると、なぜかニヤニヤしていた。「看病してあげてちょうだいよ。ベット使っていいから。私は用があるから行くわね。」
「え、え。」
慌てている私を置いて、先生はスタスタと歩いてどこかへ行ってしまった。
どうしよう。追いかける?
迷っていると、ハルヒが床に倒れそうになった。
「ハッ!危ない‼︎」
何とか支えると、もう決心するしかなかった。
ベットに寝かせると、ハルヒはすぐにスースーと寝息を立てた。
すごい、寝るの早い。
どれくらいの熱かたしかめようとおでこを触ると、なぜだかドキドキしてきた。
あれ、この音は私の?それともハルヒの?
分からなかった。
ハルヒを見ているうち、私まで眠くなってしまった。
――
「あらあら!」
先生の声で、ハッと目を覚ます。
いつの間にか寝ちゃったようだ。
ハルヒを見ると、まだ眠っていた。
「親御さんに連絡したから。もうすぐ来ると思うわ。」
先生がハルヒに語りかけると、ハルヒがこくんと頷いた。
あれ、起きてるの?
「じゃ、朝比奈さんはもう帰っていいわよ。」
「あ、は、はい。
じゃあね、ハルヒ。」
寝顔のハルヒを見ていると、急に昨日のキス事件のことを思い出してしまった。
ボッと顔が熱くなる。
「あれ、朝比奈さんも熱?」
「だ、大丈夫です!さようなら!」
――
教室に戻ると、女子たちがハルヒの心配をしていた。
綾も「ハルヒどうしたの?」と言ってきた。
「さあ、分からない。風邪?」
私が答えると、綾の表情が真剣になった。
「え、まさか2人きりでいたの?」
ギクッ。
「う、ううん。先生がいたよ。」
嘘だけど、嘘をついた方がいい時もある。
2人きりだったなんて知られたら、きっと綾に嫌われる。だって綾は――
「私、ハルヒが好きなの。」
思っていたことを言われ、心臓がドキンと鳴った。
「え?」
「気づいてるかもしれないけど。」
(綾 これですこしは意識するでしょ)
なぜだか分からない、でも何でか胸がチクリと痛んだ。
「そうなんだ。」
できるだけ平気を装って言った。
「は?何その反応!」
綾はなぜか怒っているようだった。唇を尖らせているのもあるけど、綾の口からは?と出てくるのはよっぽどだ。
「私、何かした?」
不安に思って聞くと、綾は相変わらずイラついた様子で「あー、もう!」と言った。
「ハルヒのこと、どう思ってるわけ⁉︎」
――え
予想外の言葉に、一瞬固まってしまった。
「何でそんなこと聞くの。」
「芽衣ちゃんって本当鈍いね。私はハルヒが好きなんだよ?だから、知りたいの。」
すごい、綾ちゃんがこんなにズバズバ言うなんて。
相当怒ってるんだな。しかも――ハルヒのことで。
「何とも思ってないよ。ただのクラスメイトって感じ。」
これも嘘だった。
実をいうとキスした日から、ハルヒを気にしてしまっていた。これが恋というんなら、そうなのだろう。でもそう言えば綾と友だちでいられなくなる気がして、言えなかった。だけど、綾には見透かれていた。
「――キスしたくせに?」
「ブッ」
思わず吹き出してしまった。
え?バレてたの?
「ごめん、実はあの時見てた。たまたま通りかかったら、明らかにそういう声がするんだもん。」
正直に話せる綾はすごい。やっぱり綾ってすごいな、と思う。
「でも、もし見てるって言ったら嫌われる気がして言えなかった。ごめん。」
綾はこんなに素直に話してくれているのに、私は嘘をつくの?我慢できなかった。
「私、やっぱりハルヒのことただのクラスメイトなんて思えない。キスした日から気になってるの…」
勢いで言ったあとに、後悔する。
綾の方を見れない。見るのが怖い。
でも恐る恐る見ると、綾は笑っていた。
「⁉︎綾⁉︎」
「…ふふ、知ってたよ。」
「え――
綾にはお見通しってわけか。」
何だか肩の力がフッと抜けて、私も笑ってしまった。



