ずっと君のことが好きだった。
凛々しいその姿や、ハッキリとした性格が。
だけど僕の片想いで、君にとって僕はただのクラスメイトでしかないんだろう。
自分でいうのもだけど、僕はモテる。
家が金持ちというのもだけど、容姿がいいからだろう。
昔から女子に囲まれて成長してきた僕は、靡かない女子なんていないと思っていた。
が、ちがった。1人いたのだ。僕に靡かない女子が。
朝比奈芽衣。
地味で冴えない彼女は、いわゆる3軍だった。
そんな彼女と僕には接点がなさそうだけど、実は彼女の友だち・綾と僕は幼なじみなのだ。
彼女も芽衣と同じく3軍で、地味だったが、家が服屋ということでそこそこ人気があった。
綾と僕の親は同級生で、今も仲がいい。
そのため、僕と綾も幼い頃から遊んできた仲だ。
だからといって、綾に恋愛感情が湧くわけでもない。
僕のことが好きな女子たちは、僕が綾を好きだと勘違いして綾に嫌がらせなどしているようだが、僕には何もできなかった。
ただ遠くで眺めるだけ。こんなんじゃダメだと分かっていつつも、勇気が出なかった。
そんな時、芽衣が現れたのだ。
「ちょっと、何してんの?」
綾の前に立ち、いじめっ子たちに立ち向かうその姿に、僕は一瞬で心を奪われた。
「だ、だってえ。みんなのハルヒに好かれる綾が悪いのよ‼︎」
女子たちが言い訳がましく言うと、僕の方を見た。
綾と芽衣もこちらを振り向いた。
初めて芽衣と目が合い、不覚にもドキッとしてしまう。
そんな僕とは裏腹に、芽衣は眉をキッと上げて、怒っているようだった。当然だ。
それから、僕を睨んでこう言ったのだ。
「アンタ、何してんの?綾と幼なじみなんじゃないの?なのに綾がいじめられてんのに見てるだけ?情けないね。」
図星だった。何も言えずにいると、女子たちが「はあ?ハルヒくんに何てこと言うの!」「アンタはそんなこと言える立場じゃない」と今度は芽衣を責めた。
たしかに、芽衣は3軍で、僕を好いている女子たちは1軍だ。
それでも芽衣は折れずに「こんなことして暇なの?嫉妬?そんな暇があるなら外で遊んだら、小学生なんだし。」とハッキリと告げた。
「3軍がえらそーなこと言うんじゃないわよ!」
1人の女子が芽衣に殴りかかった。
「芽衣ちゃん‼︎」
今まで黙って見ていた綾が、悲鳴に近い叫び声を上げた。
僕もさすがに止めなきゃと思い席を立ったが、すぐに芽衣が女子の拳を受け止めていた。
「1軍とか3軍とか知らないけど、バカってことは分かった。暴力なんて振るったら先生に怒られるよ。」
冷静に話す芽衣に、僕はもう惚れていたのかもしれない。恋に落ちていたのかもしれない。とにかく、心臓がすごいのと、顔が熱かった。
「いだぁ!は、離して‼︎」
ようやく芽衣が女子の手を離すと、女子たちは席に戻っていった。
「ありがとう、芽衣ちゃん…!」
「これくらいいーよ。」
――
現在に戻ると、僕は教室にいた。
過去の夢を見ていた気がする。
これまでのことが思い出せない。
なぜだか芽衣の姿を見ると、動悸がすごかった。まあいつものことだけど。
凛々しいその姿や、ハッキリとした性格が。
だけど僕の片想いで、君にとって僕はただのクラスメイトでしかないんだろう。
自分でいうのもだけど、僕はモテる。
家が金持ちというのもだけど、容姿がいいからだろう。
昔から女子に囲まれて成長してきた僕は、靡かない女子なんていないと思っていた。
が、ちがった。1人いたのだ。僕に靡かない女子が。
朝比奈芽衣。
地味で冴えない彼女は、いわゆる3軍だった。
そんな彼女と僕には接点がなさそうだけど、実は彼女の友だち・綾と僕は幼なじみなのだ。
彼女も芽衣と同じく3軍で、地味だったが、家が服屋ということでそこそこ人気があった。
綾と僕の親は同級生で、今も仲がいい。
そのため、僕と綾も幼い頃から遊んできた仲だ。
だからといって、綾に恋愛感情が湧くわけでもない。
僕のことが好きな女子たちは、僕が綾を好きだと勘違いして綾に嫌がらせなどしているようだが、僕には何もできなかった。
ただ遠くで眺めるだけ。こんなんじゃダメだと分かっていつつも、勇気が出なかった。
そんな時、芽衣が現れたのだ。
「ちょっと、何してんの?」
綾の前に立ち、いじめっ子たちに立ち向かうその姿に、僕は一瞬で心を奪われた。
「だ、だってえ。みんなのハルヒに好かれる綾が悪いのよ‼︎」
女子たちが言い訳がましく言うと、僕の方を見た。
綾と芽衣もこちらを振り向いた。
初めて芽衣と目が合い、不覚にもドキッとしてしまう。
そんな僕とは裏腹に、芽衣は眉をキッと上げて、怒っているようだった。当然だ。
それから、僕を睨んでこう言ったのだ。
「アンタ、何してんの?綾と幼なじみなんじゃないの?なのに綾がいじめられてんのに見てるだけ?情けないね。」
図星だった。何も言えずにいると、女子たちが「はあ?ハルヒくんに何てこと言うの!」「アンタはそんなこと言える立場じゃない」と今度は芽衣を責めた。
たしかに、芽衣は3軍で、僕を好いている女子たちは1軍だ。
それでも芽衣は折れずに「こんなことして暇なの?嫉妬?そんな暇があるなら外で遊んだら、小学生なんだし。」とハッキリと告げた。
「3軍がえらそーなこと言うんじゃないわよ!」
1人の女子が芽衣に殴りかかった。
「芽衣ちゃん‼︎」
今まで黙って見ていた綾が、悲鳴に近い叫び声を上げた。
僕もさすがに止めなきゃと思い席を立ったが、すぐに芽衣が女子の拳を受け止めていた。
「1軍とか3軍とか知らないけど、バカってことは分かった。暴力なんて振るったら先生に怒られるよ。」
冷静に話す芽衣に、僕はもう惚れていたのかもしれない。恋に落ちていたのかもしれない。とにかく、心臓がすごいのと、顔が熱かった。
「いだぁ!は、離して‼︎」
ようやく芽衣が女子の手を離すと、女子たちは席に戻っていった。
「ありがとう、芽衣ちゃん…!」
「これくらいいーよ。」
――
現在に戻ると、僕は教室にいた。
過去の夢を見ていた気がする。
これまでのことが思い出せない。
なぜだか芽衣の姿を見ると、動悸がすごかった。まあいつものことだけど。



