「ふうん」
たわいもない話をしながら、こいつといっしょにおやつを食べる真夜中を、俺はけっこう気に入っている。
みたらしもこしあんもやさしい味がした。どこかなつかしいような。
だからだろうか。

俺はつい、彼にしゃべってしまった。
- きみって何も考えてないよね。
と、言われたことを。

「そうなんだ……」
彼は形の良い太いまゆをハの字にして、
適切な言葉を探すようにゆっくりとそうつぶやいた。
「でも、
何も考えてなかったら、こんなにたくさんのもの作れないよな」