絵の具の匂いが漂う美術室も

木の匂いがするパレットも

インクの匂いが強い筆も

全部捨てた…はずだったのに。

アナタがしつこいから、また始めちゃったよ。

絵。

*絵の具は甘い〜毒舌美少女とウブなギャルの恋物語〜*

無性にイライラする。

そういう日が、時々ある。

そんな日なのに、
運悪く知らない男に告白されている。

「ずっと好きでした!付き合ってください!」

顔を下げて、手を差し出す男。
いや、ずっと好きでしたって言われても、わたし知らないんだけど。

差し出された手を、パンッと叩く。

「!?」

驚く男。

「わたし、知らない人と付き合えない。じゃ。」

それだけ言うと、男を置いて、教室に戻った。