俊一と約束し直して会うことになったその日、私は念入りに身支度を整えて家を出た。いつもより少し大きめのバッグを持っているのは、そこに彼へのプレゼントが入っているためだ。
ケーキは途中で買って行こうと考えていた。本当はホールケーキの方が誕生日のお祝いらしくていいのだけれど、彼は一人暮らし。食べきれずに持て余すことになるだろうから、何種類かのカットケーキなどを見繕う予定だ。
駅に着き、電車に乗る。俊一が暮らすアパートの最寄り駅で降り、近くのスーパーでちょっとした食材を買う。さらに途中でケーキも買って、彼のアパートに向かった。両手の荷物を持ち直して、彼の部屋のインターホンを鳴らす。しばらくして、俊一が顔を出した。
「この前は悪かったな。……怒ってるよな」
申し訳なさそうに顔を歪ませて詫びる俊一に、私は首を横に振った。
「怒ってないよ」
私の言葉に俊一の表情が和らぐ。
「とりあえず入れよ」
俊一は私を玄関に招き入れて、ドアを閉めながら訊ねる。
「飯、一緒に食べるだろ?適当に買って来ておいた」
「ありがとう。俊一君の誕生日のお祝いに何か作ろうかと思って、私もちょっとだけ買い物してきたの。あとはケーキも」
俊一は私の両手に目を落とした。
「大荷物だな。重かっただろ」
「こう見えて、私って結構力あるから。とりあえず、キッチン使うね」
「あぁ」
私は荷物を持ったまま俊一の後に続き、キッチンに向かう。シンク脇のスペースに買い物袋とケーキの箱を置いた後、リビングのソファ脇にバッグを下ろす。再びキッチンスペースに戻りかけた時、背後から俊一に抱き締められた。
ケーキは途中で買って行こうと考えていた。本当はホールケーキの方が誕生日のお祝いらしくていいのだけれど、彼は一人暮らし。食べきれずに持て余すことになるだろうから、何種類かのカットケーキなどを見繕う予定だ。
駅に着き、電車に乗る。俊一が暮らすアパートの最寄り駅で降り、近くのスーパーでちょっとした食材を買う。さらに途中でケーキも買って、彼のアパートに向かった。両手の荷物を持ち直して、彼の部屋のインターホンを鳴らす。しばらくして、俊一が顔を出した。
「この前は悪かったな。……怒ってるよな」
申し訳なさそうに顔を歪ませて詫びる俊一に、私は首を横に振った。
「怒ってないよ」
私の言葉に俊一の表情が和らぐ。
「とりあえず入れよ」
俊一は私を玄関に招き入れて、ドアを閉めながら訊ねる。
「飯、一緒に食べるだろ?適当に買って来ておいた」
「ありがとう。俊一君の誕生日のお祝いに何か作ろうかと思って、私もちょっとだけ買い物してきたの。あとはケーキも」
俊一は私の両手に目を落とした。
「大荷物だな。重かっただろ」
「こう見えて、私って結構力あるから。とりあえず、キッチン使うね」
「あぁ」
私は荷物を持ったまま俊一の後に続き、キッチンに向かう。シンク脇のスペースに買い物袋とケーキの箱を置いた後、リビングのソファ脇にバッグを下ろす。再びキッチンスペースに戻りかけた時、背後から俊一に抱き締められた。