自分のベッドにぼすっと寝っ転がる。

私ははぁ、と息をつきながらシャワーを浴びて少しぬれている髪をさわった。

今日は、いろんなことがあったな…。


『僕たち…季節なんだ』


さくらさんの言葉が、頭の中でフラッシュバックする。

あのあと、さくらさんたちはいろんなことを話してくれた。

自分たちが、人間ではないこと。

誰かに呪いをかけられて、一時的に人間になってるだけで、その呪いをかけた相手は、この学校にいること。

その相手を探していること。

あやしまれないように、この学校の人全員にウソの記憶をながし、自分たちは前からいたことになってること。

私には…なぜか、そのウソの記憶がないこと。

つまり…夏波くんたちは季節で、私たちとは、ほんとは会うことはできない人… 、季節だってこと。

…信じられないよね。

でも、私にはそれがありえないことだと決めつける理由がない。

だから…信じるしかないのだ。

机においてあるお母さんの写真を見る。 

お母さんは、漫画家だったんだけど…半年前ぐらいに病気で亡くなってしまった。

お母さんなら、どうするかな…。

なんて、そんなこと考えたって返事が返ってくるわけじゃない。

私は、もう一度季節のみんなのことを思い浮かべた。

季節・春、二年一組、さくらのピンをしてた春森(はるもり)さくらくん。

季節・夏、私と同じ二年二組、夏波風矢くん。

季節・秋、二年三組、ピアスをしてた関西弁の秋瀬夕(あきせゆう)くん。

季節・冬、二年四組、背が高く、黒いマスクをしていた冬雪氷羅斗(ふゆゆきひらと)くん。

みんな、個性的で、とっても整った顔立ちだ。

一回会ったら、忘れないぐらい。

でも…どうしてだろう。

なぜか、すごくなつかしい感じがするのは…。