「荷物こんだけ?」


引っ越し業者の方に荷物を運んでもらって、新しく住む家に2人分の荷物が広いリビングや、部屋の各地に置かれている。

千秋は私の荷物を見ると少し驚いた様な反応を見せていた。

かなり断捨離をして荷物は少なめにしてきたつもりだ。


「着ない服とかはリサイクルショップ持って行ったり、友達にあげたりした。後は、千秋と新しく買いなおしたいなと思って…。買い物デート、ダメ?」

「…ダメなわけないでしょ。本当何でこんな可愛いかな。」


そう言いながら、抱きしめてくる千秋の背に腕を回して、私も力いっぱい抱きしめる。

千秋は何度か頬などに口付けを落とすと少しだけ離れる。


「このままくっつきたいけど、荷ほどき終わらないから。頑張る。」

「うん!私も頑張る。早く終わらせていっぱいくっつく~!」


お互いの荷物の場所に向かって、段ボールをチェックしながら開けていく。

家具は届いているので、組み立てつつ収納しなければならない。

今日1日では終わらないかもしれないけど、少しずつ2人で暮らす家を整えていく。

学生の頃よりも一緒に過ごせる時間が減っていたから、千秋から同棲を提案された時は凄く嬉しかった。