大学の講義が終わって図書室で待ってくれている千秋に会いに行くと、端の席の方に座っている千秋を見付けた。

ひっそり近付いて後ろから目元を覆う。


「朱莉?」


手を掴んで少しこっちに振り返ると先程の真剣な表情じゃなくてふわっと柔らかい表情に変わる。

その瞬間すごく好き。


「お待たせ。待ってくれてありがとう」

「ん、行こ」


そう言って席を立ち上がると私の手を引いて図書室から出て行く。