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交際してしばらく経った頃。
毎日千秋とは連絡を取っているけど、大学やバイトで会えない日もあった。
会えない日は夜に電話をしてくれたり、寂しくない様にしていてくれる。
それでもやっぱり声だけじゃなくて、会いたくなってしまう。
そんな風に考えていると、後ろから声を掛けられた。
「朱莉、帰り?」
その声に急いで振り返ると千秋で、姿を見て思わず嬉しくなって腕を組む。
「帰り!一緒に帰る?」
「帰る、てか前髪切ったでしょ?」
確かに今朝前髪を切った。
それでもほんの少ししか切っていないのに、気付いた千秋に少し驚かされた。
「え、何で気付いたの!?」
「気付くよ。似合ってる、可愛い。」
「…千秋、何やっても可愛いって言うじゃん」
そう言いながら千秋を見て、少しだけ頬を膨らませる。
嬉しくないわけじゃないけど、本当に思ってる?と面倒な気持ちが前に出てきてしまう。
そんな私に少し驚いた様情をすると、千秋は少しだけ笑った。
笑い事じゃないのに笑う千秋に「なっ!」と声を漏らしてふいと顔を背けた。
「ごめん、怒んないで。本当に、どんな時も可愛いから仕方ないんだよ。」
そう言いながら私の頬を指で突いてくる。
どんな時も可愛いとか、そりゃ私は貴方が好きでどんな時も可愛いって思われたくて努力してるから…。
でも、すっぴんの時でも、寝起きの顔も本当にどんな時でも可愛いと伝えてくれる。
付き合ってしばらく経つのにこの甘さはずっと消えない。