(悩んでても仕方ない。もう言っちゃおう!突撃だ!)
私は意を決して大和くんのところへ向かおうと席を立った。しかしそんな私の決意を打ち砕くかのように、呑気な声が教室に響いた。
「大和く〜ん」
ヅカヅカと教室に入ってきたのは、2組の遥くんだった。
「ねーねー、もうそろそろ試合しよー?転入生ちゃんが慣れるまで延期って言ってたけど、もう慣れたよね、紗里奈?」
「えっ!?えっと……うん。大和くんと遥くんのおかげで慣れたよ。本当にありがとう。」
「俺と大和のおかげだって〜ね、試合やろーよ〜」
「うるせーな、わかったよ。」
大和くんがため息をつくと歓声が上がった。
「紗里奈も出たら?あ、2組に来る?いつでもどーぞ〜」
「こいつは1組だ。」
「あーはいはい。ねー、せっかくだから今からやんな〜い?」
「授業がある。」
「あ〜1組ってそーゆー組でしたね〜んじゃ、放課後で〜」
遥くんがヒラヒラと手を振って去って行くと、教室の中は大騒ぎになった。
「試合って何?」
私は近くにいたクラスメイトに聞いた。
「クラスの順位を決める戦いだよ。簡単に言えば喧嘩。最後まで残っていた人数で勝負する。」
「1組対2組の喧嘩ってこと!?」
「そう!いや~久しぶりだぜ!」
小競り合いのような場面は何度も目撃したけれど、組対抗の喧嘩なんて想像もつかない。遥くんは私が学校に慣れるまで延期していたと言ってた。なんだか気を遣われているような気がしてこそばゆい。
「なぁ、紗里奈も出るか?」
「喧嘩なんでしょ?」
「紗里奈ならできそうじゃね?」
「強そうだもんな。」
「どーゆー意味よ!」
「ははは。こえ〜!」
喧嘩なんてできるわけないけど、みんなに1組の一員として思われていることが嬉しい。私の心はポカポカと暖かくなった。
「……」
クラスメイトたちと笑い合う紗里奈を、薫は廊下から見つめていた。
私は意を決して大和くんのところへ向かおうと席を立った。しかしそんな私の決意を打ち砕くかのように、呑気な声が教室に響いた。
「大和く〜ん」
ヅカヅカと教室に入ってきたのは、2組の遥くんだった。
「ねーねー、もうそろそろ試合しよー?転入生ちゃんが慣れるまで延期って言ってたけど、もう慣れたよね、紗里奈?」
「えっ!?えっと……うん。大和くんと遥くんのおかげで慣れたよ。本当にありがとう。」
「俺と大和のおかげだって〜ね、試合やろーよ〜」
「うるせーな、わかったよ。」
大和くんがため息をつくと歓声が上がった。
「紗里奈も出たら?あ、2組に来る?いつでもどーぞ〜」
「こいつは1組だ。」
「あーはいはい。ねー、せっかくだから今からやんな〜い?」
「授業がある。」
「あ〜1組ってそーゆー組でしたね〜んじゃ、放課後で〜」
遥くんがヒラヒラと手を振って去って行くと、教室の中は大騒ぎになった。
「試合って何?」
私は近くにいたクラスメイトに聞いた。
「クラスの順位を決める戦いだよ。簡単に言えば喧嘩。最後まで残っていた人数で勝負する。」
「1組対2組の喧嘩ってこと!?」
「そう!いや~久しぶりだぜ!」
小競り合いのような場面は何度も目撃したけれど、組対抗の喧嘩なんて想像もつかない。遥くんは私が学校に慣れるまで延期していたと言ってた。なんだか気を遣われているような気がしてこそばゆい。
「なぁ、紗里奈も出るか?」
「喧嘩なんでしょ?」
「紗里奈ならできそうじゃね?」
「強そうだもんな。」
「どーゆー意味よ!」
「ははは。こえ〜!」
喧嘩なんてできるわけないけど、みんなに1組の一員として思われていることが嬉しい。私の心はポカポカと暖かくなった。
「……」
クラスメイトたちと笑い合う紗里奈を、薫は廊下から見つめていた。