日が流れて月曜日を迎えた日菜子は週の初めだというのに既に週末かの如く疲れ切っていた。
日曜日は自宅へ帰ったのだが、日菜子の家の場所を把握したがった湊が着いてきてそのまま居座られ、いつ帰るんだろうと思っているうちに夜も更け今度は湊が日菜子の家に泊まる事となった。
案の定手を出され眠りにつけたのは日付を超えてから。
湊は早朝に帰宅したらしいが日菜子は時間ギリギリまで起きられず、ここ最近の運動不足のせいで衰えていた体力の差を見せつけられたようだった。
そんな週末を過ごしたものの、体が万全の状態でなくとも仕事は待ってはくれない。
日菜子の仕事は設計部の中でも改良や修正がメインで、否が応でも営業部とは接点を持たざるを得ない。
当然開発部や検査部とも密に連絡は取るがやはり営業部とのやり取りが圧倒的に多い。
幸いなのはその営業部の仕事は大きく二つに分けられ新規開拓の為の契約を取ってくるものと、アフターケアをメインに顧客と密な関係を築くものがあり、日菜子と関わる事が多いのは後者。
一方で元彼が籍を置くのは前者だ。
そんな訳で数が多い方ではないものの定期的な営業部との関わりは必須となり、その日も午後から1件打ち合わせが入っていたので顔を合わせないかヒヤヒヤしつつ営業部のフロアを訪れていた。