「ふん……っ、生きていたようだな」

 応接室で対面し、ふんぞり返っている若者。
 立派な体躯をした黒髪の美青年。その名もエバン・クラークネス。
 ……ベアトリスの婚約者らしい。
 ていうか、あのー……。貴族って、婚約者に対してそんな雑な態度をとるものなの……?
 すっごい、嫌そうな顔してるけど……。
 横目でヘティを見ると、なんとも言えない微妙な顔つきをしている。