私が不治の病にかかってしまったのだ。 私はもう今夜あたり… そんな日にいつも寄り添ってくれた付き人のお品、 早逝してしまった千代の分も愛した 大切な愛娘の万寿、 そして、 誰よりも大好きで私に沢山の愛情をくれた 家治様の三人がそばにいてくれている。 私より幸せな最後を迎える人は きっとこれまでもこれからも一生現れないと思う。 「私に幸せをくれてありがとう」 そう言い残して私は息を引き取った。