「御台様。

そろそろ大広間へ向かいましょう。

でないと先に上様がご到着なさってしまいますから」


「はい」


無事将軍就任の儀式が終わると、

夫・綱吉はすぐさま部屋から出て行こうとした。


「綱吉様!

少しお待ちください」


私が声をかけても
彼は立ち止まることなく進んで行く。


「綱吉様っ!

……………

止まっていただきありがとうございます。

私、綱吉様にお話ししたいことが…

「黙れ。

そなたがわしに話しかけることは
今後一切禁止とする」