だからか、
次の将軍は国松になるんじゃないかと
想像している人が多かった。
でも私たちにそんな考えは一切なく
将来は家光が次ぐものと当たり前に考えていた。
そして、
夫の秀忠が二代将軍になり、
息子の家光が三代将軍として政治を担っていた頃。
城内で私の悪口が目立つようになっていた。
でもそれは仕方のないことだと思う。
私は豊臣秀吉の養女としてここにきて、
その豊臣家は徳川の宿敵として滅びたのだから。
それでもただ一人毒見係の千代だけは、
私に親身になってくれていたので
私はすっかり安心しきっていた。
その日の夜いつものように夕飯を食べていた。
するとなぜか急に体が痙攣し出した。



