「ヒック、ヒック…秀次様ぁ…お会いしたいです…」


「江、ちょっといいかしら…?

大事な話があるの」


「今行きますね、姉上」


泣いていたことを悟られないよう
声を取り繕って返す。

けれど泣いていたことに気づいていたのか、

私が部屋から出ると姉上は
暗く辛そうな表情をして立っていた。


それでも私はいつもの調子で


「大事な話ってなんですかっ?」


と問いかけた。


すると姉上はこういった。