〇学生食堂(昼休み)
六条 鈴華「あー、これがラーメンですのね。 なんて背徳的なお味でしょう、癖になりますわ」
鈴華ははじめて大衆向けラーメンを口にしていた。
ぽわんと虜になりそうだった。
六条 鈴華「陸斗のそれは・・・」
高山 陸斗「日替わり定食。 栄養的に大丈夫だろ」
野菜炒めにポテトサラダ、ライスとスープ。
黙々と陸斗は食べている。
それを見ながら鈴華は頬を赤く染めていた。
六条 鈴華「あ、あのですね? お付き合いをはじめたので恋人らしいことをしたいですわ」
高山 陸斗「無理してすることでは」
六条 鈴華「今までは料理人に頼んでまいりましたが、これからは私がお弁当を作ってもよろしいですか?」
上目遣いの鈴華に陸斗は赤くなる。
ドキドキしているのを平然な振りをして誤魔化していた。
高山 陸斗「・・・嬉しいけど、学食あるし。 あまり気にしないでくれ」
六条 鈴華「ですから夕飯に持って帰ってくださいな。 がんばりますので!」
グッとこぶしを見せる。
六条 鈴華「あ、ご迷惑ですか?」
高山 陸斗「いや、嬉しいよ。 でも毎日は悪いからたまにな」
六条 鈴華「はい」
以前よりも雰囲気の柔らかくなった陸斗にゾッコンな鈴華。
そんな初々しく好き合う二人のところに生徒会長の恭吾が何人かの女の子を連れて近づいてきた。
皆月 恭吾「陸斗、頑張れよォ? ハメ外してやりすぎたら取り返しがつかないからなあ?」
六条 鈴華「またあなたですの!? 生徒会長さん!!」
皆月 恭吾「どうせすぐに別れる。 世間知らずのお嬢様にはいいお勉強だな」
ケラケラと笑いながら、女の子の肩を寄せる。
皆月 恭吾「別れたら慰めてやるよ。その綺麗な顔が涙に濡れるのを楽しみにしてる」
六条 鈴華「もう怒りますわよ!? あなたという方はもう少し謙虚になっては!?」
すっかりお怒りの鈴華は恭吾に牙を剥く。
高山 陸斗「皆月」
陸斗は箸を止めて、冷たい目をして恭吾を睨みつけた。
高山 陸斗「彼女をバカにしないでくれ。 あと、別れるつもりもないから」
皆月 恭吾「・・・どうせ自爆するだろうさ。 せいぜい後悔しろ」
嘲笑って恭吾は女子たちを連れ、去っていった。
六条 鈴華「陸斗大好きですわぁ」
鈴華を守る強気な陸斗にメロメロだった。
村瀬 拓馬「・・・空気でいるチートスキルが身につきそうだ」
それを実は向かい側の席で食事をしていた拓馬がドヤ顔で眺めていた。
〇一年生の教室(別の日の朝)
鈴華の席に花瓶にいけられた花があった。
明石 唯愛「鈴華ちゃんの席に花が・・・」
六条 鈴華「あらまぁ、私にプレゼントでしょうか?」
明石 唯愛「よく見てよ」
唯愛が花を指さす。
明石 唯愛「ズタズタに切られてるよ」
六条 鈴華(気にしない。こういうことは気にしたら離れなくなりますわ。自分が必要のない場面では、強くなくてはならないのですから)
【ポジティブさは最大の鉄壁だ】
六条 鈴華「花をこのようにするのは感心いたしませんわね」
明石 唯愛「なんでそんな平然としてるの?」
六条 鈴華「私の涙はそう安くございませんので」
それでも腹ただしいことに変わりはなかった。
六条 鈴華「あー、これがラーメンですのね。 なんて背徳的なお味でしょう、癖になりますわ」
鈴華ははじめて大衆向けラーメンを口にしていた。
ぽわんと虜になりそうだった。
六条 鈴華「陸斗のそれは・・・」
高山 陸斗「日替わり定食。 栄養的に大丈夫だろ」
野菜炒めにポテトサラダ、ライスとスープ。
黙々と陸斗は食べている。
それを見ながら鈴華は頬を赤く染めていた。
六条 鈴華「あ、あのですね? お付き合いをはじめたので恋人らしいことをしたいですわ」
高山 陸斗「無理してすることでは」
六条 鈴華「今までは料理人に頼んでまいりましたが、これからは私がお弁当を作ってもよろしいですか?」
上目遣いの鈴華に陸斗は赤くなる。
ドキドキしているのを平然な振りをして誤魔化していた。
高山 陸斗「・・・嬉しいけど、学食あるし。 あまり気にしないでくれ」
六条 鈴華「ですから夕飯に持って帰ってくださいな。 がんばりますので!」
グッとこぶしを見せる。
六条 鈴華「あ、ご迷惑ですか?」
高山 陸斗「いや、嬉しいよ。 でも毎日は悪いからたまにな」
六条 鈴華「はい」
以前よりも雰囲気の柔らかくなった陸斗にゾッコンな鈴華。
そんな初々しく好き合う二人のところに生徒会長の恭吾が何人かの女の子を連れて近づいてきた。
皆月 恭吾「陸斗、頑張れよォ? ハメ外してやりすぎたら取り返しがつかないからなあ?」
六条 鈴華「またあなたですの!? 生徒会長さん!!」
皆月 恭吾「どうせすぐに別れる。 世間知らずのお嬢様にはいいお勉強だな」
ケラケラと笑いながら、女の子の肩を寄せる。
皆月 恭吾「別れたら慰めてやるよ。その綺麗な顔が涙に濡れるのを楽しみにしてる」
六条 鈴華「もう怒りますわよ!? あなたという方はもう少し謙虚になっては!?」
すっかりお怒りの鈴華は恭吾に牙を剥く。
高山 陸斗「皆月」
陸斗は箸を止めて、冷たい目をして恭吾を睨みつけた。
高山 陸斗「彼女をバカにしないでくれ。 あと、別れるつもりもないから」
皆月 恭吾「・・・どうせ自爆するだろうさ。 せいぜい後悔しろ」
嘲笑って恭吾は女子たちを連れ、去っていった。
六条 鈴華「陸斗大好きですわぁ」
鈴華を守る強気な陸斗にメロメロだった。
村瀬 拓馬「・・・空気でいるチートスキルが身につきそうだ」
それを実は向かい側の席で食事をしていた拓馬がドヤ顔で眺めていた。
〇一年生の教室(別の日の朝)
鈴華の席に花瓶にいけられた花があった。
明石 唯愛「鈴華ちゃんの席に花が・・・」
六条 鈴華「あらまぁ、私にプレゼントでしょうか?」
明石 唯愛「よく見てよ」
唯愛が花を指さす。
明石 唯愛「ズタズタに切られてるよ」
六条 鈴華(気にしない。こういうことは気にしたら離れなくなりますわ。自分が必要のない場面では、強くなくてはならないのですから)
【ポジティブさは最大の鉄壁だ】
六条 鈴華「花をこのようにするのは感心いたしませんわね」
明石 唯愛「なんでそんな平然としてるの?」
六条 鈴華「私の涙はそう安くございませんので」
それでも腹ただしいことに変わりはなかった。