晴人には家に帰ってから……いや、家に帰る途中から何度も怒られた。

 どうしてあんな危ないことをしたんだとか、恭平さんとなに話したんだとか。
 とにかくその日は説教ばかりだったけれど、私だって晴人が心配なのだ、折れるつもりはなかった。


「私に任せて晴人!もうやられっぱなしの私じゃないから!」

「そんな問題じゃねえんだよ。第一、カシラを落とすとか無理だろ」

「いや、もしかしたらイケるかも。ほら、私って顔はいいじゃない?」

「姉ちゃんよりも美女に迫られたことなんて何度もあるに決まったんだろ」


 晴人はなんとしてでも私を説得してやめさせたい様子だったけれど、晴人の言葉を聞くつもりはない。

 とりあえず今日は今後の計画について考えないと……少しは攻略の糸口が見えているけれど。


 弟の怒りから逃げるように、部屋に籠って計画を練る。
 さて、あの攻略難易度が鬼級の恭平さんにどうやって挑もうか。

 近づく方法は決まっているけれど……そこはもう、ギャフンと言わせてやる、
 ただ、近づいたとしても落とせないのなら意味がない。


「第一、恭平さんはどうして私に興味を……」

 単に顔がいいだけの女性なら、私以外でもいくらでもいる。
 顔と体も魅力的な女性に甘く誘われたこと、恭平さんならいくらでもあるだろう。

 それでもあの恭平さんならきっと落ちない気がする。
 むしろ相手を落として、思い通りに動かしそうで怖い。