「”私は可愛いです”」

「わ、私は可愛いです…」



「”私は皇羽さんの物です”」

「私は皇羽さんの物です…」



ん⁉



「違います!」

「…ちっ」



机をバンッと叩いて否定する。すると皇羽さんは「騙されなかったか」と残念そうにしながら、身支度を進める。


――最悪な夜が明けて、朝。


目覚めた私の横には皇羽さんがいて「おはよ」と甘いボイスで挨拶してくれた。そしてお姫様抱っこでリビングに連れてこられて、


「(この甘い一日のスタートはなに?夢?)」


と思っていると、冒頭の催眠術が開始した。


どうやら皇羽さんは、いくら口で言っても全く危機感を覚えない私に、催眠術で私の脳から教え込もうと思ったらしかった。


いや、こわすぎ…!ホラーか!