――お前の事が好きなんだよ
そう言った時の皇羽さんの顔が、忘れられない。
ちゅんちゅん
「………………普通に、寝てしまった」
色んなことがありすぎて頭の整理が追い付かないけど…。そんな中でも普通に寝られる私って…。
「小さい頃から貧困という波乱万丈の人生を送ってきたせいかな…。メンタルが厚い」
ふと、隣を見ると。皇羽さんは、またいなかった。
「コンサートまで…あと五日か。長いなぁ…早く終わらないかな」
ん?
無意識に出た言葉に「何言ってんの私」と一人ツッコミをいれながら、寝室を後にする。
そして今日も皇羽さんのノート係をするために、学校へ行く準備を進めた。