「では私こと白樺空(しらかば くう)が、現在多大なる活躍を見せている Ign:s について説明しましょう!」

「……はい、よろしくお願いします…先生……」



現在、学校。


衝撃的な一夜が明けた翌朝――隣を見ると、既に皇羽さんはいなかった。リビングにはメモが残されていて、



『今日も帰りは遅い。10時ごろ』



とだけ書かれていた。きっとコンサートに向けて、最後の大詰めをしてるんだろうなぁ。……いや、っていうか。



「(玲央さんがピンチヒッターいらないくらいに体調に気を付けて頑張れば、皇羽さんがわざわざ練習しないで済むよね…?)」



コンサート当日に呼ばれるか呼ばれないか分からない皇羽さんが必死に練習しても…。玲央さんに呼ばれなかったら、その練習が全部無駄になるじゃん。


それとも、絶対に出ると決まっているから練習しているのかな…?