誰も、何も、喋らない。

時計の音だけが、響く。

手術中の赤いランプが、光っている。

『蘭羅っ!』

聖たちが、来た。

顔には傷ができている。

みんな走ってきたのか、まだ寒いのに汗かいてる。

「蓮也は!?」

真に言われ、私は目線を手術中のランプの方に向けた。

聖たちは、何も言わず。

蓮也、どうして?

どうして、私を庇ったの?

蓮也がいないと私、これからどうしたらいいの?

蓮也がいなくなるなんて、考えられないよ。

ずっと一緒って、言ってくれたじゃん。

蓮也…

どれぐらい時間が経ったんだろう。

もう、日付回ってるかも。

私の中ではとても長く感じた。

ここには、雅紀さん香織さん、麗華さん大輝さん、聖也君、真、光輝、聖、兼がいる。

みんな蓮也のこと待ってるよ?

お願い…

無事でいて。

ウィィィン…

手術中の赤いランプが消えて、扉が開いた。

みんな、立ち上がった。

中から、先生がでてきた。

「先生。蓮也は?」

雅紀さんが、聞いた。

「銃弾は、取り除けました。命に別状はないです」