麗華が伏見くんと出て行って、柑奈の拘束がとける。


大きく息をつくあたしを、みんなが一斉に冷たい目で見る。



清澄彩綾

松本聖理奈

白波柑奈

渡辺奈々美

佐野百合香



全員が同じ、冷たい目をしてあたしを見下ろしていた。

あたしは、この異様な光景に、震えることしか出来なかった。


口を開いたのは彩綾だった。


「どう?分かったでしょ。麗華姫を怒らせたらどうなるか。」


無表情。

まったくの無表情だった。

目だけが氷のように冷たい。


「いじめられる側の気持ちになってみろ?ハッ!ふざけんな。」


聖理奈がそう言って唾を飛ばす。


「そんなのテメェよりよく分かってるっつーの。」


聖理奈も彩綾と同じ、無表情で喋る。


「テメェがウチらのこと狂っているなんて言う資格、そんなの無い。マジで、死ねよ。」


聖理奈はここまで言うと、息を吐いた。

そして、柑奈が後を継ぐ。


「あのねぇ、清水。余計なこと、しないほうがいいよ。ウチらだって本気になるから。ウチらは狂ってない。」


柑奈にしては珍しく、静かに言った。

奈々美も後を継いだ。


「みんな、自分が一番可愛い。だから、保身に走る。あんたも、自分が可愛いなら、歯向かわない方がいい。」


百合香がしっかりと頷く。

みんな、みんな、死んだような冷たい目をしていた。