「だぁかぁら〜!」



麗華姫は人差し指であたしの額をちょんと突いて言った。



「八神があたしたちの話盗み聞きしているかもしれないでしょ?だから、あたしは彩綾に送るって言いながらななみんに送ったの。あたしたち証拠写真持っていること知ったら、ウイルスでもなんでも使って削除しにくるわよ。」




麗華姫はクスクス笑う。



「え…、じゃあ、今のうちに拡散しといたほうがいいんじゃない?」



ななみんがびっくりした顔で言う。

麗華姫の眉が下がった。



「さすがななみん、う〜ん、そうなんだけどねぇ。不用意にばら撒くと、ウチらが疑われる可能性があるんだよ?もう一度言うけどね、現場には、ぶーちゃんだけじゃなくてあたしも(・・・・)、いたの。」



麗華姫が悔しそうに顔を歪める。



「出火時刻にアリバイがあったらよかったんだけどなぁ…。」



麗華姫の顔はすぐに天使の微笑みに戻った。




「ま、いいや。あんたたち、殺されたくなければ守ってあげてもいいけど?」




ニヤリと麗華姫が笑う。

早く選択しろと迫ってくる顔。




あたしは、考えた。


この状況ではどれが一番有利?

それは、決まっている。

それ以前にあたしもななみんも麗華姫から離れられなくなっている。

だから、選択肢はひとつしかないんだ。