唯央くんが体育館の扉を開けたその瞬間。

スピーカーからズーと、音が鳴り出し、
再び声が降ってきた。

『あれ…いいんですか?
包丁持っていかなくて。』

『…………弥城 四葉さん』

え………………?

その言葉に
6人全員が四葉ちゃんを見た。

「よつ………ば……?」

騒然となったこの場所で
静かに声を上げたのは神楽くんだ。

「四葉の…なの?あれ……」